RED GLOBE

年の瀬事情2

(昨日の続き)
バイトは2年間、この店はあえて珈琲店と記すとおりこだわりを持っていた。
自家焙煎、自社ブランドのコーヒで店舗展開をしたいという
女将さんの野望かあった。
コーヒーをコーヒと書くのもちょっとしたこだわりのようで
京都にコーヒと記す老舗が他にもいくつかあったので
そこを手本にしていたのかもしれない。
当時2店舗、もう一つは若向きのカフェ仕立てで主にマスター(息子)
が営業していた。
私は3ヶ月目からは平日そちらに入り、日曜の忙しい日は本店に入る
というシフトになった。

当時1杯300円程のコーヒで20席くらいしかない本店は
その日曜、多いときには1日20万円を売り上げる。
朝から家族連れの常連さんが、単価の高いミックス・サンド
ミックス・ジュースなどを子達に振る舞うからである。
それに引き替え、マスターの店は10万を超えることはない。
マスターは女将さんにはまるで頭が上がらず
普段も「どこにいったのか?」解らないくらい店をバイト任せにしていた。

「吉野くん、知ってるか?お水のこと何て云うか?」
「さあ?おひやですか?」
「お客さんが来たらすぐ後を追いかけて出すからチェスターっていうんや。
追跡者の意味。ほら、チェスター2つ。」
 業界用語らしいが追跡者ならチェイサーだ。
「店の横に止めてある原付、誰のや?邪魔やがな、おい、マジック持ってきて。」
「はい」
『阪神タイガース優勝!』
え、いいんですか?そんなの勝手に書いて、、
そんなマスターであった。

商売のことと無縁に育った私だったから
今思ってもこういう商売人銭勘定のことはよく解らない。
ものを売ったり、サービスを提供してお金を稼ぐ方法は
なんだか次元の違う世界のようで、そういう現場の成功法というのにも
あまり興味がない。
バイトを通してそんな世界の人達にふれ、
世の中の企業という組織のすべてが営利目的で、利潤を追求している現実
私のやっていることとの隙間をうまく埋められずに
ずっと生きてきた。

この年末、多くの派遣社員や期間労働者が路頭に迷うと
新聞が報じている。
景気という実態のない風のようなもので
まじめにやっていても仕事を失ってしまうことが現実。
昨年まで私も、非常勤や任期の限られた職にしか就いてこなかっただけに
今まで良くもこうやって生きてこれたな、
随分甘い考えだったな、、なんて
でもやっぱり、夢を追いかけて生きようとしている人に
面と向かって「現実を直視しろ」とはなかなか云えない。

掃除していると色々思い出したりした。
どうやって生きるか?なにが一番大切なのか?
いつか理想が現実を越えられる時がくるのだろうか?

皆さん、良いお年を。
I Love You


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by red-globe | 2008-12-31 18:32 | 心境