RED GLOBE

NoをYesで作る

ひょんなことで時間が出来たのは以前述べたが、
そのできた時間で突っ走るように作った最新作がこれである。

あの3.11 あの日以来、ものをつくる者はみんな無力感に苛まれている。
想いは募るのに、願いは募るのに、答えは No ばかりである。
僕らは政治家ではないし、小説家でもない。
批評家でもないし、できればただ素直に生きたいだけだ。
想いを言葉ではない方法で伝えたいだけ。
そして、有事が起こると真っ先に駄目な自分に向き合う羽目になる。
駄目だ、このままでは駄目
でも自分には何が出来るのだろう?

反核の思いは以前から強く持っていた。No である。
でも。自分の心情としては作品は常にポジティブでありたい。
表現はあくまで Yes
No を Yes で作るのが彫刻である。
悲劇を切り取るのはドキュメンタリー写真で充分、
時間をかけて作るものには No は向かない。
となると隠喩、メタファー。綺麗な花には棘がある、これである。

作品タイトルは「明日への神器」

勘のいい人なら気づいてくれるだろうか?
岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」と一字違いのオマージュであることを。
あの作品のテーマを知っていますか?

「神器」で「三種の神器」を思い出してくれるだろうか?
経済成長盛んな1950年代後半、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目が「三種の神器」
豊かさの象徴が家電品、つまり電気である。

高さ4m、この黒い器の上にそびえる白いものが何に見えますか?
ならば、器は何を語るのか?
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ちなみに、この作品は30日まで、京都市美術館で開催中の「2011京展」に出品しています。
お近くにお越しの際には是非ご高覧ください。
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by red-globe | 2011-06-15 21:17 | 制作